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夜更けにつまみぐい

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暑い…
日中の気温は体温よりも高く、ひとたび外に出ればまるでお湯の中を漂っているような感覚さえ覚える。
今日は花火大会、見回せばカップルだらけだ
このくそ暑いのに寄り添うように歩くカップルを見ていると、げんなりする。お前ら、暑くないのか、そうか。
で、さっきから何をしているかというと、まだ昼の暑さが残る中、カップルウォッチングをしているわけではもちろんなく
人を待っているのだ。
大体俺はそんなに花火なんかには興味ない
暑いし、人は多いし、花火を見ても出てくる感想といえば
「おお」とか「ああ」程度だ
つれて行き甲斐がないなんて親からはよく罵られたもんだ
物好きにもそんな俺を、花火大会に誘ったヤツを待っているのだ

・・・大体、誘っておいて遅れてくるとはなってない
暑さのせいもあり、くそう来たら一言文句言ってやるなんて決意を固めているところ
「・・・遅くなってごめんっ」
懸命な声がした
振り返ると、浴衣姿のあいつが息を切らして立っていた
「ごめん・・・ホントにごめんね、遅くなって」
半泣きみたいな顔で謝ってくるけど
もう、さっきまで怒ってたことなんかどうでもいい
反則だろ・・・その浴衣は
怒ってたこと忘れたじゃないか
いつもと違う雰囲気に、余計に暑くなってまともに顔も見れない

「別に・・・怒ってなんか、ねーよ」
「ほんと?」
「ああ、・・・花火大会始まるから、行こうぜ」

気づけば周囲は会場に向かう人たちであふれかえっている
はぐれないようにだ!はぐれないようにであって決してやましい気持ちはないんだ!と心に言い聞かせながら・・・
俺は、そっとあいつの手を握った・・・
異常気象とはまた違った熱さが、俺達の中を駆け抜けていったのだった


こうして、タケシとトシヒコは街の喧騒に飲み込まれていった・・・

=END=


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